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・リウマチの意味
「リウマチ」とは一般には「慢性関節リウマチ」のことをさします。
しかし、広い意味では関節や周囲の骨、筋肉などが痛む病気全般を指し、
・慢性関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス(皮膚や内臓など全身に症状が)
・変形性関節炎(痛みとともに骨の変形がおこる)
・通風(足の親指の激痛で有名)
など200種にもおよび、「リウマチ性疾患」と呼ばれています。
・リウマチ性疾患
リウマチ性疾患は原因によって大きく5つに分類されます。症状は「関節の痛み」でも原因も病名も様々なのできちんと原因を調べることが大切です。
@免疫の異常によるもの
・慢性関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・全身性強皮症 など
A細菌やウィルスの感染によるもの
・リウマチ熱
・ライター病
・ウィルス性関節炎
・真菌性関節炎
・硬直性脊椎炎 など
B代謝の異常によるもの
・通風
・偽通風
・甲状腺、副甲状腺疾患
・糖尿病関節炎 など
C外傷や加齢にともなう骨、軟骨の変形によるもの
・変形性関節炎
・関節外リウマチの一部 など
Dストレスなどによる心因性疼痛症候群
・筋肉リウマチの一部(ファイブロミアルギア)
・慢性疲労症候群 など |
・膠原病のひとつ
慢性関節リウマチはリウマチ性疾患の中でも全身性結合織病のグループに属します。 全身性結合織病は膠原病ともよばれ、全身の結合組織(細胞と細胞をのりづけしている組織。コラーゲンなどのたんぱく質その他)が侵される病気で、発病の原因は明確にはわかっていませんが、免疫の働きの異常が関与していることがわかっています。
・発症のピークは30〜50歳代
・患者数は日本全国で70〜100万人とも言われ、高齢化に伴い増加傾向にあると言われます。発症年齢は早ければ20歳代から発病、30〜50歳代がピークで40歳代がもっとも多く、人生でもっとも多忙な時期に発症する病気といえます。
男女比は1対4と圧倒的に女性に多い病気です。最近では高齢男性にも増加しています。
・なぜ女性に多いのか
自己免疫疾患は男性より女性に多く見られ、その理由として女性ホルモンと妊娠・出産が関係していると言われています。
乳腺刺激ホルモンや卵胞ホルモンなどは自己免疫反応を高める働きがあり、妊娠中は副腎皮質ステロイドホルモンが増え免疫の働きが抑制されますが、出産後には抑制が解除され反動で一時的に免疫の働きが高まるため、自己免疫疾患が起こりやすくなることが知られています。
・症状は全身性、経過にはタイプがある
慢性関節リウマチの特徴は、関節の滑膜という部分に炎症がおき痛みと変形を引き起こすことです。関節の痛みのほかにも皮下結節というしこりができたり、血管の炎症、貧血など全身に症状が出ることもあります。
進行や経過にはいくつかのタイプがあり、すべてが重度の障害に至るというわけではなく、現在では早期発見・治療で進行を最小限に食い止められるようにもなってきています。
最低でも2〜3年、多くは一生を通じてのつき合いとなる病気です。 |
・免疫との関係
「免疫」とは、さまざまな細菌やウィルスなどの「抗原」といわれる異物が体内に侵入したときに「抗体」という武器を作って異物をやっつける自己防御のしくみを「免疫」といいます。
慢性関節リウマチが起こる原因ははっきりとはわかっていませんが、この免疫の働きになんらかの狂いが生じたために起こるのではないかと言われています。
・遺伝子のこと
生物の体を構成する細胞の主たる成分はたんぱく質で、その組み立て方を決めているのは遺伝子です。この「設計図」にまちがいがあると異常なたんぱく質がつくられ様々な病気を引き起こします。
慢性関節リウマチの人の場合も、健康な人と異なる遺伝子があることがわかってきました。
たとえば、HLAという免疫に関係するたんぱく質に関係する遺伝子は特に注目されており、慢性関節リウマチの人はDR4という種類のたんぱく質でつくられたHLAを持つ人が多く、免疫システムの異常に関連しているのではないかと考えられています。
・「遺伝病」ではない
慢性関節リウマチにはHLA−DR4型の遺伝子が深く関係していと考えられますが、慢性関節リウマチの人でこの型の遺伝子を持つ人は60〜70%で全ての患者さんが持っているわけではありません。また健康な人でもこの型の遺伝子を持つ人が40%います。
また自己の成分に対する抗体である「リウマチ因子」が見つからない患者さんもいて、健康な人にリウマチ因子が見つかることもあります。
慢性関節リウマチの多い家系はありますが、親が慢性関節リウマチでも必ず子供が発病するわけではなく、遺伝だけがリウマチの原因ではなく複数の因子が関連していると考えられます。
正常な遺伝子を受け継いでいてもウィルスの感染により遺伝子が傷つけられ病気を発症したり、遺伝的要因を持っている人がカゼなどの感染症やストレス、出産、ケガ、手術などを引き金に発症したり症状が悪化したりするのではないかと考えられています。
この発症のメカニズムが解明されていけば遺伝的要因を持っていても発病を未然に防げる可能性があります。 |
・慢性関節リウマチに特徴的な症状は関節の腫れと痛み。この腫れと痛みの原因は関節に起こる炎症です。「炎症反応」は組織が傷ついたときに修復を行おうとする防御反応のひとつです。
体内に異物が侵入したときも異物を排除するまで炎症反応が続きます。慢性関節リウマチの場合は「免疫」が自分自身を攻撃し、関節に炎症を起します。
・関節の仕組みとはたらき
関節とは骨と骨をつなぐ部分であり、全身に68個ありますが構造は共通しています。
固い骨と骨が直接ぶつからないように、わずかな隙間(関節腔)は粘りのある関節液(滑液)で満たされ、骨の先を弾力のある軟骨が覆ってクッションの役割を果たしています。
軟骨は水を80%も含む弾力のあるやわらかい骨で、コラーゲンという繊維成分を含み強さを保っています。
軟骨は加齢や加重によりすり減るなど変化します。
関節全体は関節胞に包まれ、その内側にある滑膜が関節液を分泌して、関節の動きをスムーズにして栄養を補給します。この滑膜に炎症が起こると関節に腫れや痛みが起こります。
・滑膜の炎症
滑膜の炎症は免疫細胞が自己を攻撃しはじめることで引き起こされます。
・炎症から変形へ
滑膜の炎症が慢性化すると、徐々に関節の変形が起こっていきます。
骨の破壊や変形は元へは戻せないので、早期発見で治療を行い炎症をくい止めることが大切です。
ステージ1(初期)
関節腔に関節液が増えると骨のカルシウム分が失われていき、まだ骨の破壊は起きていないが骨にスが入ったような骨萎縮がみられる場合がある。
ステージ2(中等度)
滑膜の細胞が増殖し肉芽(パンヌス)を形成、肉芽が軟骨と軟骨下の骨を侵食しはじめ、骨びらんがみられる。関節周辺の筋肉に萎縮がみられる。(この肉芽組織の増殖に関して特別な物質を出す細胞があるのではないかと考えられている)
ステージ3(高度)
軟骨の侵食が進み骨も破壊され関節がうまく噛み合わなくなり関節の変形や亜脱臼・脱臼が起こる。筋肉に強い萎縮がみられ筋肉や腱の伸縮が悪くなり関節の変形が起きる。
ステージ4(末期)
肉芽が繊維化して硬くなり、二つの骨の端がくっついて骨癒合の状態となり関節がまったく動かせない状態になる。 |
・初期症状
多くの場合、慢性関節リウマチは非常にゆっくりと進行します。
○ ごく初期には、
・食欲不振
・からだがだるい
・熱っぽい
などの全身性のはっきりしない症状が続き、これにからだがなんとなく「こわばり」動きづらい
(特に朝、手指や全身の関節がこわばる。からだを動かす内に消えていく)
が感じられると慢性関節リウマチの前兆である可能性が高くなります。
○ その後、慢性関節リウマチ特有の症状が出はじめます。
・最初は小さな関節から腫れやこわばり、痛みが
手首や手足の指など。特に手指の第二第三関節が多い
・複数の関節で同時に、しかも左右対照に起こる
最初は一箇所でも、次第に他の関節にも広がっていく。動いたり体重をかけると痛む
とくに朝に痛み、動いているうちにやわらぐ傾向がある
・症状は慢性的に続く
・次第に全身へ
時間をかけて全身の関節に炎症が広がっていきます。
<リウマチになりやすい関節>
・膝関節
・頸椎
・肘関節
・股関節
・その他
顎関節、胸鎖関節などにも炎症が起こることがある。
<痛み>
初期には関節の滑膜の炎症による痛みだけであったのが、関節が破壊されていくのに伴い、
・血流が悪くなって痛む
・筋肉が不自然に引っ張られるために筋肉痛
などを起すことがあります。
低温、高湿度、低気圧で症状が顕著になるとも言われます。
<全身の症状>
関節以外にも次のような全身の症状を併発することがあります。定期的な観察と治療が必要です。
・慢性関節リウマチで起こる関節変形
骨の破壊が進むと手指や足指に慢性関節リウマチ特有の関節変形が起こります。
変形したままかたまってしまうことを「拘縮」、骨と骨がくっついてしまうことを「強直」といいます。
また、関節の症状が進むに従い関節と関節の間の筋肉が衰え、日常生活に支障をきたします。
よくみられる変形は次のようなものです。
<手指の変形>
・尺側偏位(しゃくそくへんい)
・Z型変形
・ボタン穴変形
・スワンネック変形
<足指の変形>
・外反母趾
・わし爪趾変形
|
・7割が「寛解」する
病気がよくなることを「治癒する」といいますが、慢性関節リウマチでは症状が収まることを意味する「寛解する」という言葉を使います。
慢性関節リウマチはカゼが治るように完全に治ることは少ないですが、変形した関節は元に戻せないけれど「寛解」できればそれ以上の病気の進行をストップさせることは可能なのです。
現在では早期発見と治療で多くの患者さんが寛解に持ち込めるチャンスが増えてきました。
患者のうち、3%は完全寛解(薬を減らしても悪化しない。治療をやめても10年以上再発しない人もいる)、70%程度は、骨の変形・破壊はそのままにせよ、関節の腫れ、痛みはなくなり進行が停止する寛解に持ち込めるようになってきたとも言われています。
残りの骨の破壊が進行してしまう患者についても、もっと早く発見・適切な治療を行っておけばもっとよい結果が得られる可能性もあります
・経過のタイプ
慢性関節リウマチの経過はいくつかのタイプがあり、寛解(症状が収まること)と憎悪(症状が悪くなること)の波に差があります。
資料により分類の仕方やパーセンテージは多少異なりますが、いずれにしても早期治療や方法の改善によって病状が悪化していくことは減っていくと思われます。
慢性関節リウマチの経過はいくつかのタイプがあり、寛解(症状が収まること)と憎悪(症状が悪くなること)の波に差があります。
資料により分類の仕方やパーセンテージは多少異なりますが、いずれにしても早期治療や方法の改善によって病状が悪化していくことは減っていくと思われます。
単周期型
発症後数週間〜数年間続くがその後軽快し、寛解後ほとんど再発がみられない
多周期寛解型
寛解と憎悪を繰り返し症状に波があるが徐々に良くなっていく
多周期憎悪型
寛解と憎悪を繰り返し長期間かけて徐々に進行していく
進行型
よくなることがほとんどなく急速に進行する(患者全体の10%程度)
・障害の程度も様々
慢性関節リウマチの障害の程度も人により様々です。大きくは次のような四つのクラスに分類されます。
このクラスを進めないことが治療の目標となります。
クラスT
多少痛みはあるが日常生活は不自由なくできる
クラスU
いくつかの関節は痛み動作は制限されるが自立で日常生活ができる
クラスV
仕事や日常生活がかなり困難になり、自分では限られたことしかできない
クラスW
自力で身の回りのことができなくなり、寝たきり、あるいは車イスに頼る |
・自己チェック
早期に病気を発見できて治療が開始できれば、進行を食い止められる可能性があがります。
しかし慢性関節リウマチの場合、例えば「尿酸塩の結晶があるから通風」というように決定的な診断の決め手がなく初期での診断が難しい病気なのです。
まずは患者の自覚症状の訴えを医師が正確に把握することが大切になってきます。
適切な診断、治療を受けるためにポイントをおさえて自己チェックしておき、受診の際には正しく情報を伝えられるようにしておきましょう。
<関節の症状>
・朝のこわばり
朝起きたときなんとなく動作しづらい
左右対称にこわばる関節がある など
・ヒザなどの関節が左右対称に腫れている
・関節を動かしたとき痛む
・関節を押さえると痛む
<関節以外の症状>
・リンパ腺の腫れ
・疲労感、だるさ、食欲不振
・微熱
・レイノー減少(寒冷時に指先が白く変色)
・貧血(合併症)
・息切れ(合併症)
・口内炎(合併症)
・視力低下(合併症)
その他、問診の際には、
・いつ頃から、どんな症状が、どの位続いているか
・家族に慢性関節リウマチの人はいるか
・持病と過去の病歴
・服用中の薬、薬に対するアレルギー
など、スムーズに答えられるよう整理しておきましょう。
・何科を受診すればいいか
慢性関節リウマチは早期発見が難しく適切な早期治療も難しい病気ですので、経験が豊富で研究動向にも詳しいリウマチ専門医にかかることが望ましいといえます。
「リウマチ科」「膠原病科」以外にも「内科」「整形外科」に専門医がいる場合もあります。
方法としては、
・かかりつけの医師に相談し、リウマチが疑われる場合は紹介状を書いてもらって専門医を受診する
・リウマチ専門医を自分で探す
日本リウマチ学会が認定する「リウマチ認定医」や日本リウマチ財団の「リウマチ登録医」があります。
・リウマチの検査
診断のために様々な検査を行います。一回の検査では診断がくだせず経過を見ながら何回か検査を繰り返す場合もあります。
慢性関節リウマチと診断されると状態にあわせ治療方針をたてますが、診断後も、経過をみて薬や治療法を変えていくことが必要であり、また薬の副作用や合併症の観察も必要なため定期的な検査が必要となります。
患者自身が自分の病状を知っておくことも大切です。検査の数値を記録・把握し、意味を理解するようにしましょう。
・慢性関節リウマチの診断基準
慢性関節リウマチの診断は問診や検査結果などから行われます。診断基準としてはアメリカ・リウマチ学会により提唱された診断基準が参考にされることが多いのですが、早期の慢性関節リウマチの診断が難しいことから、日本の厚生省は「早期リウマチ診断基準」を作成しています。
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リウマチの治療は治療方法の進歩により、旧来の痛みを抑えるだけの治療から進行を食い止める治療へと変わってきています。寛解に持ち込むために、よりよい日常生活の質を保つために、患者と医師が協力して治療に臨むことが大切です。そのための治療は主に4つの柱から構成されます。
1.基礎療法
2.薬物療法(内科的療法)
3.リハビリテーション療法
4.手術療法(外科的療法) |
慢性関節リウマチとは一般に長いつきあいとなります。
長いつきあいになるからこそ少しでも快適に暮らす努力と工夫が必要になってきます。
リウマチとつきあう上でのヒントやポイントを紹介します。
■前向きな気持ちで
■治療は根気よく
■出産や結婚、育児
■仕事や趣味を通じて楽しく暮らす
■おいしくバランスよく食べる
■快適に暮らすための工夫
■公的福祉制度 |
・慢性関節リウマチについても姿勢などの筋骨格系の構造の問題が影響していると考えます。
・骨格が正しくタテに並んでいれば、ほぼバランスだけで身体を支えることができますが、姿勢など骨格が歪んでいるとそれができず、骨格や筋肉は慢性的に緊張して身体を支えなければなりません。
・傾いている側の筋肉は縮んで密度が高まり、反対側の筋肉は引っ張られて伸びており、どちらにも循環障害がみられます。このような負荷や問題が長年積み重なった結果、神経圧迫、筋肉の硬化、痙攣などの状態になり機能障害を生じさせると考えます。
・慢性関節リウマチ患者の場合も、発症以前から構造の傾きがあり長年の負荷により軋轢を生じさせていて、遺伝などその他の要因とあいまって発症するのではないか、と考えました。 |
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